オン・キャンパス・インターンシップ~創造的空間を創造する~ 【阪大おもしろレポ #6】
「……さて次回の授業ですが、自分の個性を前面に押し出したプレゼンをしてください。自分にしかできない、楽しいプレゼンを期待しています」
【阪大おもしろ授業レポ】とは……?
阪大の選りすぐりのおもしろ授業を紹介していくコーナーです!
大学の授業は大講義室で席に座って先生の話を聞くだけ、、、と思われがちですが、意外とそうでもなかったりします。
阪大には思い出に残るようなおもしろ授業がたくさん眠っています。その魅力をたっぷりとお伝えしていきます。
今回は外部企業連携の授業、オン・キャンパス・インターンシップをお送りします。
「個性を前面に押し出したプレゼン」とは? それではお楽しみください!
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- オン・キャンパス・インターンシップ
- 第1回:あなたにとっての「はたらく」とは
- 第2回:バブルの社会・世界の働き方
- 第3回:好きな空間・理想の空間
- 第4回:はたらくにまつわる問題点
- 準備・残業
- 第5回:最終プレゼンテーション
- これからの「はたらく」を考える
オン・キャンパス・インターンシップ
インターンシップというのは本来就職する前に興味のある会社に行って働くこと、もっと簡潔に言ってしまえば職場体験なようなものです。
本来は就活を意識したころに自分の興味のある業界を探してインターンを受けて……という流れが普通です。
さて、今回紹介する授業の名前が「オン・キャンパス・インターンシップ」。
また阪大おもしろレポシリーズでは恒例のごとく、授業名からは何をするのか分からないものになっています。
さて、シラバス(授業の内容が書かれたもの)を確認しますと、
「本授業は株式会社オカムラの全面協力のもと行われます。企業の方のお話しから『はたらく』とはどのようなことかを考えます」
そんなことが書かれていました。
どうやら、大阪大学だけで完結するのではなく、外部の企業と連携して行う授業ということのようです。
それでオン・キャンパス・インターンシップなんですね(分からん泣)。
そのコラボする企業である株式会社オカムラがはたらき方改革やオフィス用品のデザインなどをしている会社、ということでテーマは「これからの『はたらく』を考える」となっていました。
まだ詳しいことは分かりませんが、企業の方のお話を聞きながら自分がどのようにはたらきたいのか、またこれからの働き方はどのようになるのかを考えることになりそうです。
この手の授業ではよくあることなのですが、授業のスタイルが変則的です。
まずは授業を提供してくれる企業が株式会社オカムラということで、場所が大阪駅直結、関西人なら知らない人はいないであろうグランフロント大阪内のオフィスです。
以前紹介したグランフロントでピザを食べながら映画を見る授業 【阪大おもしろ授業レポ #2】も同じく株式会社オカムラプレゼンツでしたので、同じ会場となっています。
そして時間割も例によって変則的です。基本的に大学の授業は半期間で90分の授業を週1回ずつ15回なのですが、今回は月1回、3コマ連続の授業を5日という形式になっています。
私はほかにもいろいろな集中講義形式の変則的な時間割の授業をとっていたので、スケジュール調整が大変でした。
そんなわけで、まだ桜の散る4月、オン・キャンパス・インターンシップが始まったのでした。
第1回:あなたにとっての「はたらく」とは
いざ、大学を飛び出してましてグランフロント大阪で授業スタートです。
最初のテーマはあなたにとっての「はたらく」とは何か、というものでした。
これを4名ほどいる教員の前とバリバリの社会人というか企業人の方の前で発表するのです。
バイトはしたことがあっても、大学を卒業してから社会人として「はたらく」こととは違いがあると思います。
いったい「はたらく」とは何なのでしょうか。
お金を稼ぐため、やりがいを見つけるため、社会に貢献するため、自分の能力を開発するため
人によって本当にいろいろな考え方が出てきそうです。
最初に自分が「はたらく」について考えること、不安なこと、楽しみなことなどを述べていく形でスタートしました。
そしてそのあとはオカムラの社員の方にバトンタッチ。ここからは基本的にすべてオカムラの方の主導で授業が進むようです。
さて、そこで説明されたのはオカムラをはじめ、ほかのいろいろな企業が「はたらく」ことについてどのような取り組みをしているのか、ということ。
会社の説明もそこそこに、世の中のいろいろな企業の取り組みを知って自分の中の「はたらく」ことについてのイメージを作っていこう、というのが目的のようです。
講義形式で考えるものもあれば、グループワークを通してどのような働き方が理想なのかを考えるなど、企業の方の綿密な構成によって授業が進められました。
そんな感じで、初回の授業はおおむね導入、という形で幕を閉じたのでした。
ちなみにこの日はゴールデンウィークの初日! 場所は梅田! 私はこのあと京都で友だちと遊ぶ用事があったので、授業の内容も忘れて「ワーイ」と梅田の人混みの中に飛び込んだのでした。
第2回:バブルの社会・世界の働き方
さて、次回までの宿題ということで今回はある宿題が出されたのでした。
それが次回授業で取り扱うバブル期について調べて、プレゼンをしなさいというもの。
バブル……確かに日本史で扱った内容ですが、詳しくは覚えていません。今回の指示が何かバブルを印象づける写真やデータを使って説明しなさい、ということでしたので、それなりに調べて説得力のあるプレゼンをしなければいけません。
集中講義って楽なイメージがあったのですが、この授業に関しては毎回のようにプレゼンとグループワークがあり、それに関わる事前準備もあるということで、かなりハードなものになりそうです。
授業を受けた部屋であるオカムラのオフィスって超巨大なモニターがあるのですが、そこに自分で作ったスライドが映し出されてプレゼンをすることになるのです。
(画像:https://www.okamura.co.jp/ より)
緊張しましたよ……
さて、初っぱなからクライマックスのようなプレゼンをして授業に突入したのです。
今回のメインコンテンツがグローバル社会におけるはたらき方でした。
グローバル化が進む中、世界の企業はどのようなはたらき方をしているのかが説明されました。
その中でもオフィスの歴史というのがとても興味深かったです。かつて今のオフィスはどのように発展してきたのか、その歴史から今のはたらき方の改善点はないかを探りました。
今回は特にグループワークなどもなく終了したのですが、とにかく体力が必要です。
次回までの課題は自分の好きな空間を探す、ということでそこまで難しテーマではなかったのですが、毎回のようにプレゼンやグループワークを課されるので、体力を消耗します。
おかげでかなり鍛えられたとは思うのですが……そんな感じで第2回目が終了したのでした。
いわゆる集中講義についてこちらの記事で詳しく解説しています! 合わせてご覧ください!
第3回:好きな空間・理想の空間
先ほどもお伝えしたようにあなたの好きな空間は何か、というのが今回の課題でした。
単純にキャンパス内でもそれ以外でもとにかく自分が居心地がいいなーと思う空間について語ればよい、ということだったので、今回はそこまでの負担はなくスタートです。
株式会社オカムラが空間デザインに携わる会社ということで、第3回目は居心地のよい空間、はたらき方に関わる空間がテーマになるようでした。
社員の方からの説明もそこそこに、グループワークがメインになりました。
そんなグループワークのテーマは「キャンパス内で理想の勉強空間は何か」ということでした。
いきなりはたらき方に関する空間を扱ってもイメージがわきにくい、ということで、学生の立場として勉強をするのに理想的な空間は何かをグループで議論するようです。
大学内の好きな勉強空間を考えてもよし、あらたに理想の勉強空間を考えてもよしとのことでした。
大学内の勉強空間といってもいろいろありますよね。
図書館はもちろん、大学内のカフェ、空き教室、食堂、グループ学習室など議論するうちに様々な案が出てきました。
私たちのグループでは周りが賑やかなのか静かなのか、そして一人で勉強するのか複数人で勉強するのか、という4象限を考えて理想の勉強空間を考えました。
すべての状況において理想と言える勉強空間はないので、用途や好みに合わせた空間を選べば快適に勉強できる、という内容で発表しました。
第3回目になりましたが、半分も過ぎたところでそろそろこの授業の本質が見えてきました。
「はたらく」を構成する様々な要素から自分にとっての理想のはたらき方や考えを深める、そしてそれを今後の人生設計に活かす、どうやらそんな感じになりそうです。
そして第4回目に向けて課された課題が「はたらくにまつわる問題点は何か」というものでした。
またしても抽象的で、説得力を与えるのが難しそうな問いです。
いよいよこの授業も後半戦に突入していくことになるのでした。
第4回:はたらくにまつわる問題点
7月も後半、梅雨も明けて暑くなってきた中、梅田、グランフロントに向かいます。
最初こそ大学外で授業を受けられることに優越感に浸っていた私ですが、もう疲れてきました。
7月の末といえばそろそろいろいろなテストや期末レポートが近づいてくるころです。
そんないろいろなものと同時並行でまずは課題を完成させたのでした。
今回のテーマが「はたらくにまつわる問題点」で、この内容がそのまま第4回目の授業のテーマになるようです。
私はこのテーマについて日本のジェネラリスト育成問題について取り上げました。
私が外国語学部で語学専攻ということもあって、日本以外の労働がどうなっているかについては別の授業で学んでいました。
それに関連して日本では大学を卒業した学生が、学んできたことをほとんど活かされず就職してから誰でも出来ることを教育してジェネラリストを育成する問題について述べました。
それに関連して私はジェネラリストとしてはたらくよりは、専門的な知識を生かせる職種ではたらきたいことを述べました。
この発表をするにあたっても、客観的なデータがあった方が良いかと思い、いろいろな情報を検索した上で発表にのぞんだのでした。
さて、第4回ということもあっていよいよ大詰めです。次回はもう最終プレゼンテーションだけなので、授業をうけるのは今回が実質的に最後になります。
「はたらくにまつわる問題点」ということで、私たち受講生の発表もそこそこに、企業の方からのレクチャーが入ります。
そして、その後は次回の発表に向けたグループワークです。
テーマは「あなたが理想とするはたらき方とは」でした。
今回話し合った問題点や今まで学んできたことを踏まえて、自分が理想とするはたら方は何かをグループでまとめて発表することが最終プレゼンテーションのお題でした。
やっと終わりが見えてきたーーー
そう思っていると、
「今回はグループでのプレゼンに加えて、個人でのプレゼンもお願いします」
「!!」
「……さて次回の授業ですが、自分の個性を前面に押し出したプレゼンをしてください。自分にしかできない、楽しいプレゼンを期待しています」
さて、どういうことでしょうか。
何をしたらよいのかまったく分かりません。
「自分にしかできない個性を前面に押し出したプレゼンをしなさい」
内容は今まで授業で扱ってきたテーマに関わることであれば何でもOKということで、自由度は高いようです。
どうやら、今回のこの意味不明な指示の理由は
「みなさん発表ありがとうございます。とっても素晴らしい内容でしたが、今回発表してくれたことは調べれば誰でも分かります。誰が発表しても変わらないわけです」
「はぁ」
「これからの時代、大切になるのは個性。ということで、自分にしかできない、自分の思いを伝えられる個性を大切にしたプレゼンをしてください」
……とまあこんなことでした。
そりゃね、、、おっしゃっていることは正論ですよ。
私たちが調べたことなんて、たいしたことないので調べれば誰でもできます。
だからといってそこそこまじめなことを発表するのに個性を大切にしなさい、といわれてもね……
ダンスでもしたらよいのでしょうか……私はダンスできませんよ……
そんな感じで激動の第4回が終わったのでした。
準備・残業
さて、今までもこの授業に関しては多くの時間外での準備をしてきたのですが、今回は今まで以上の時間をかけなければならないようです。
まずはグループワークの準備と言うことで、グループで集まって話し合います。
毎度のことですが、とにかく問いが抽象的すぎて分からん。
ただでさえ疲れている夜に私以外のメンバーは意味不明な会話をはじめのです。
あなたたち人に分からせる意思はあるのか。本気で思いました。
それでもなんとか、まとまり、スライドを作成します。
それでもこれはまだまだ前哨戦です。メインコンテンツである「自分にしかできない個性的なプレゼン」が残っているのです。
どうしたものか……考えていると一つのアイデアが降りてきました。
「専攻語でプレゼンしよう」
そう決めて準備に取りかかったのでした。
第5回:最終プレゼンテーション
いよいよ最終回、プレゼンテーションです。
まずはグループワークのプレゼンから行われたのですが、今見返しても私は内容が意味不明です。
法学部の学生さんが法律的にどうだ、とか人間的にどうだ、とか意味不明な議論が続いた末にできあがったスライドを読み上げる、という形になってしまいました。
理解できなかった私が悪かったのでしょうか。
今回はオカムラの人事の方も登場してプレゼンを聞きに来たくださったのですが、とりあえずプレゼンに対しては高評価のようです。
私は何度読んでも意味が理解できなかったのですが、果たしてベテランの企業の方は理解できたのでしょうか。
さて、少しブレークを挟んでから個人のプレゼンに入ります。
まあね、経験上ですが他人のプレゼンなんて大して興味ないわけですよ。私も人のプレゼンをめちゃくちゃ熱心に聞いているかというとそこまでではありません。
そこで、今回は嫌でも私に注目が集まってしまうようなプレゼンを考えました。
先ほどひらめいた専攻語でのプレゼン、ということで、前のモニターを二分割して左に専攻語、右に日本語訳を表示、私は終始私以外の誰も理解できない言語でプレゼンを始めました。
話し始めた瞬間のみんなの顔のおもしろいこと笑
みんな跳ね起きたように反応し、次の瞬間には私と前のモニターを凝視して聞いてくださいました。
ところどころ日本語訳を隠して意味を分からないようにして、あとはGoogle翻訳で調べてくださいね~とすることで、
「あのとき何言ってたんですか!」
と自然に余韻を残して興味を抱かせることにも成功、十分個性的で私にしかできないものになったと思います。
プレゼンで話した内容としては、私は今大学で学んだことを生かせるはたらき方をしたい、ということがメインでした。
どうしても偏見は混ざりますが、ジェネラリスト的な会社内で大学で積み上げてきたことを無視されて1から教育され直される風習をどうも受け止められません。
そこで、今の自分の学びが活かされるはたらき方がしたい、とまとめて終了となりました。
これからの「はたらく」を考える
この授業を受けた当時はまだどのように自分がはたらきたいかについては考えたこともありませんでした。
でも、じっくりと時間を与えられて、自分は何をしたいのか、何をしたくないのかを考えるよい機会になったと思っています。
また、このような外部の企業との連携型授業の利点として、人脈づくりがあります。
今だからいえることですが、大学生にとって人脈づくりほど大切なことはないと思っています。
授業を通して内容以上に大切なことを学べたすてきな経験を得られました。
でも、もう受けません。残業多すぎ、結構私のメンタルを削った授業だったのでした。
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